上海旅行3日目

3日目は再び上海市内の観光。最初に魯迅公園に行った。朝9時ということもあって、エクササイズや社交ダンスをする市民の人でいっぱいだった。魯迅記念館に入った。時間があまり無かったのでじっくり見れなかった。解説は殆ど中国語のみで時々英語があるだけだったけど、中国語を眺めているとなんとなく意味が分かるような気になってきた。分かる漢字を繋げて推測する。公園内の道の脇には人が何人か座っていて傘がたくさん並べてあった。1つひとつ広げてありA4くらいの紙が貼られている。よく見ると性別、職業、居住地などが書かれている。どうやら結婚相手を紹介しているらしい。顔写真は貼られていなかった。顔よりも金持ち度が重要のようだ。写真を撮りたかったが、駄目だという身振りをされた。個人情報だから当たり前か。

f:id:lovemikeneko:20190314012719j:image魯迅記念館

上海の結婚の話は面白い。中国の有名な一人っ子政策は鄧小平時代に上海で最初に行われた。上海は日本でいうところの特区だから新しい政策がどんどん試されるんだって。一人っ子政策の規制はなかなか厳しくて、334と呼ばれている。2人目を産むと、3年間ボーナスなし、さらに3年間選挙権も取り上げられて4万元の罰金を課せられる。3人目を産むと、会社をクビになってしまう。だから2人目、3人目を産むのはお金持ちの家ばかり。さらにみんな男の子が欲しいから、妊娠中の検査で女の子だとわかるとおろしてしまう。女の子を育てるのはお金持ちだけなので今、上海出身の女性の数がとても少なくなっている。結婚するための条件も厳しく、男の人は環状線内のマンションに住んでいて、日本製の家電製品があることが必要。ある人は結婚する為に友人から家電製品を借りて、結婚後にそれを返却したそう。そしたら奥さんが裁判所に訴えて離婚されてしまったらしい。中国の女性は強くて、特に上海出身の女性は「小さな唐辛子」と呼ばれている。見た目は可愛らしいが、性格はキツいという意味。そもそも女性の数が少ないから蝶よ花よと育てられてきたんだ。

f:id:lovemikeneko:20190314012056j:image魯迅公園の銅像


上海では今、古い建物が次々と壊されて新しいマンションが建てられつつある。人が住んでいる場合でも関係なく政府によって立ち退かされる。土地は全て国のものという認識なので、立ち退きは簡単らしい。政府が一方的に通告してお終い。ただしきちんとお金は払うらしくて、立ち退かされる住民は1人2000万円ずつもらえるらしい。それでも環状線内のマンションは高くて新しく購入するには全然足りないんだって。次に向かった日本人街も、一部保存の為に改装された後(この事を中国では「おばあちゃんのお化粧」と呼ぶらしい)残りは全部取り壊してしまった。旧海軍の病院で今はそのまま中国の病院として使われている建物や、製糸場で働いていた日本人達が住んでいた街並みを歩いた。建物様式はヨーロッパ風だった。

f:id:lovemikeneko:20190314012144j:image日本人街


それからイギリスの租界、外灘へ。街は綺麗に整備されていて、上海タワーなど高層ビルがそびえ立つ様子が良く見えた。ここは2015年、タワーを見る為人が殺到して37人死亡するという大事故が起きた所らしい。それ以来、上海の道路脇のブロックは黄色に塗られて駐車禁止となった。代わりにどこに駐車するかというと、公園の地下。上海の公園の地下には大抵巨大な駐車場があるんだって。私たちが乗る観光バスも道路に駐車出来ないから、私たちを降ろす時だけちょっとだけ停車して、それから市内をしばらくぐるぐる回って観光し終わった私たちを回収しに来ていた。大変。ガイドさんが乗り降りの度に「早く早く!ここ止めちゃダメだから!」と急かしてきた。
この後行く予定だった宝石店が2日前に政府の立ち退きにあって閉店したそうなので、シルク店に行くことになった。生糸の歴史というよりはシルクの布団の宣伝って感じだった。興味がなかったのでお店を抜け出して周辺を探索。ちょっと歩いたところに揚げ物屋さんがあった。ガラスケースに色んな種類の揚げ物が並べられていて、油の入った大きめの鍋でその場で揚げている。女性が春巻のようなものを指差して、携帯でQRコードをタッチしていた。美味しそうだったので私もおんなじ物を指差して100元出そうとした(馬鹿だけど値段が分からなかったから…)ら、お店のおばさんにコインを2枚見せられた。100元だと高すぎるらしい。10元出したら、5元紙幣と1元硬貨3枚お釣り。どうやら春巻は2元だったらしい。あったかくて中には細かく刻まれたジャガイモとひき肉が入っていた。美味しかった。それから飲み物屋さんを見つけたので中に入った。N23°という店。多分チェーン店。本当はタピオカを飲んでみたかったけど売ってなかったのでジャスミングリーンティーを頼んだ。メニューの1番上にあったから。値段は8元。メニューには英語の表記もあったけれど、若い男の店員さんは英語が分からない模様。砂糖の量や氷の量を5段階くらいで選べるので指差しで注文。店員さんは申し訳なさそうな表情で英語出来ないごめんみたいなことを言っていた。お店を出るとき手を振ってくれた。優しい、惚れそう笑。砂糖も氷も少なめにしたけれど、充分甘くて美味しかった。抜け出したのがバレないうちにシルク店に戻った。知らない町を1人で歩くのは割とスリリングだった。スマホ使えないので迷ったら一発でアウトだし。

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外灘から見た高層ビル群


それから古城公園を通って豫園商城へ。ここは小籠包が有名な観光地。伝統的な中国の赤い建物の中に色んなお土産屋さんが入っている。東京でいう上野、浅草みたいな。握り拳よりも大きな小籠包(20元)を買った。中はスープでタプタプしていてストローで吸って食べた。それから中国の飲むヨーグルト(15元)濃厚で固めで美味しい。観光地だから人が沢山いて、スリもいるらしい。お店の商品もちょっと高めで、探せば他の場所でもっと安く買えそうだなと思った。

f:id:lovemikeneko:20190314012323j:image豫園商城


これで3日間の上海、蘇州の旅は終わって空港に向かった。空港でお土産を買う時、人民元が足りなくなってどうしようかと思っていたら普通に日本円も使えた。
3日間の旅行を振り返って思った事は、旅はツアーじゃなくて自分で計画立てて行くべきだということ。今回はツアーということで、下調べも何もなしにバスに乗って、観光地ついてガイドさんの話聞いてまたバス乗って…という受け身の姿勢で参加してしまったために、上海の魅力を感じる機会が半減してしまったと思う。観光地じゃない場所でお茶や春巻きを買った時、上海の人はとても親切で優しかった。観光地でも道を聞いたら中国語で教えてくれた。私が経験したかったのは現地の人との接触なんだなあと思った。それから観光地へ自転車や地下鉄を使って自力で行けたらもっと楽しかったろうなあと思う。興味ない場所(買い物の為だけの場所)を案内されるのは結構苦痛だった。ツアーもツアーなりの良さがあって、ガイドさんの話は面白かったけど。次、中国に行く機会があれば、ちょっとでいいから中国語を覚えて、自分で計画を立てて友人と一緒に旅行したい。色々文句を言ったけど、楽しい旅行でした。上海は素敵な都市です。母に感謝。

f:id:lovemikeneko:20190314012403j:image飛行機、間近で見れるのは新鮮